手のぬくもり

牛角はオランダ、アフリカ全土水牛の角を加工した印鑑材料です。
 オランダ水牛会社印鑑は水牛の中でも特に硬質で粘りがあり、より優れた印材として知られている 印材です。名前の由来はオランダ原産というわけではなく、オランダが集積地 として世界に輸出された為です。

――あったかい。
君はいつも突然現れる。でも僕は不思議と驚かない。印鑑 ブルー水晶昔のこと、ああそうか。あの時の僕は僕じゃなかったから。
朝と夜との繰り返しという見えない迷路の中で、僕は泣いていた。一人だった。なんにも縛られたくない。自由でいたい。でも、誰かにこの思いを伝えたいと思い、絆を求めている。
矛盾イコール悪いこと、ずっとそう信じていた。いや、信じさせられていたのかもしれない。
真夏の夕暮、あの丘から見た景色を君は覚えているだろうか。そう、最初に二人がであった場所。君はずっと、公園で遊んでいる子供たちを見ていた。嬉しそうに、でも寂しそうでもあった。
そして、突然こういった。「一緒に消えませんか」
僕は、
「一緒だったら、できるような気がします」と言った。
悲しみや苦しみを、お互いもう感じなくなっていた。君はしばらく黙っていた。が、ゆっくりと口を開きつぶやいた。
「もう少しだけこうしていたい気がするんです。理由は、うまく言えません。あなたと一緒にすることは、死ぬことじゃなくて、何か別のことのような、まあそんな感じです。」
「ええ、わかります」
僕も同じ気持ちだった。
それからの生活は、本当に幸せだった。余計な言葉は必要なかった。生きる喜び、人を愛する喜びを感じながら、お互いに強くなっていった。
そんな中で一番覚えているのは、君の手のぬくもりだった。柔らかくて、優しくて、そしてなにより、暖かかった。
僕は今日、東京へ向かう。
楽しい思い出も苦しい思い出も、引き連れて。